情熱解剖
チャレンジ!SANKEN! VOL.1 「エコサラ®」

お客様の悩みを解決したい!
そんな想いから生まれた環境にやさしい除湿給気ユニット
「エコサラ®」の開発ストーリー。
開発のきっかけは、「オフィスで冷房時の高湿度に困っている」
というお客様からのご相談でした
現地調査の結果、建物の現代化により冷房時の空調負荷は建設当初の20%程度。わずかな冷却で室温の維持が可能になった反面、通常の空調では除湿が不足してしまうことが原因と判明しました。
室温と室内湿度を両立するには、エネルギー消費が多く、設備システムも複雑かつ高額に。そのため再加熱のプロセス導入は難しく、省エネ建物の新たな空調課題が浮き彫りになりました。
そんなお客様の悩みを解決すべく、研究員の戸室泰洋(以下戸室研究員)はさまざまな事例を検討。その結果、「当社のつくばみらい技術センターのZEB化空調技術として開発していた《冷却除湿した空気を外気の熱で温める潜熱処理システム》の機能を冷水システムで具現化すればお客様のニーズに応えられる」と戸室研究員は確信したのです。
諦めずに考え続けたある日、通勤中にアイデアがひらめく
戸室研究員をキーに、長年空調の現場を見てきた3人で開発プロジェクトをスタート。実験システムでのプレ検証結果より、システムの気密性維持と外部結露防止、さらに、小型化と省施工化のため“オールインワンのユニット化”を目指しました。仕組みには自信があっても、機械室に設置できる大きさの筐体に、除湿と加湿の両機能を一体化することは簡単ではありませんでした。
「私たちメンバーは、このシステムが実現すれば三建設備工業の大きな武器になる!という想いで、激論を交わしながらアイデアを出し合い、スケッチの束は数センチにも…。しかし、諦めずに考え続けたある日、通勤途中にアイデアがひらめきました」。 その案を模型にし、ユニット制作の交渉を開始し、1年後に「エコサラ®」の初号機が完成。相談を受けたお客様のオフィスで1年間の実運用検証を実施し、プロジェクト開始から約2年後に、構想通りに室内低湿化の有効性を確認することができました。

『エコサラ®』は、地球が抱えている課題に貢献する空調ユニット
毎年上昇する世界の気温や2050年カーボンニュートラルの実現など、空調の省エネは大きな課題です。「サラサラの快適な温湿度環境を保ちながら、エネルギー消費を抑制できる「エコサラ®」は、持続可能な社会の実現に貢献できる空調ユニットだと自負しています」と戸室研究員は熱く語ってくれました。
設備施工会社である三建設備工業が、なぜ空調設備機器の開発という領域に挑戦したのか。その原動力は、お客様の悩みに耳を傾け、空調に関する課題を解決したいという社員たちの一途な想いと情熱でした。
