当社は、建設現場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるため、社員によるドローンパイロットチームを結成し、2025年8月より本格的な運用を開始いたしました。本チームは、高所や危険箇所における調査・点検業務の安全性向上とコスト削減に大きく貢献いたします。
■ドローンチーム結成の背景と目的
建設業界では、高所足場の設置が必要な設備の点検や、酸欠などの危険が伴うピット内部の調査において、安全確保とコスト、工期が大きな課題でした。当社ではこれらの課題を解決するため、ドローン技術の活用に着目。設備の構造を熟知した自社の技術者がドローンを操作することで、より安全かつ効率的な調査が可能になると考え、ドローンパイロットチームの内製化に至りました。
■チームの概要と取り組み
本チームは、若手を中心とした多様な人材で構成されています。2025年5月15日に事業用ドローンの運用に不可欠な無線局を開局。選抜された3名は、業務に必要な「第三級陸上特殊無線技士」の資格を取得しております。
(3名は技術統括本部 電気計装システム部 BIM・NFチーム所属)
さらに、各メンバーは2025年6月から延べ120時間に及ぶ実践的な操縦トレーニングを積み重ねてまいりました。自社敷地内に簡易的なドローントレーニング施設を設置し、専門知識を持つ技術者ならではの視点で、設備の構造を理解した最適な飛行経路の選定など、質の高い訓練を実施しています。
8月からの運用開始以来、すでに数件の社内物件において、高所設備の点検や通常は立ち入りが困難な場所の調査にドローンを投入し、その有効性を実証しています。
■内製化によるメリットと今後の展望
ドローンパイロットを内製化することにより、外部委託に比べ、現場の状況に応じた迅速かつ柔軟なドローン運用が可能となります。また、設備の専門知識を持つ技術者が自ら操作することで、問題箇所を的確に捉え、質の高い点検データを取得できることが最大の強みです。これにより、従来は多大なコストと危険を伴っていた仮設足場の設置が不要となり、安全面とコスト面で大きなメリットが生まれます。
当社は今後、チームメンバーの増員も視野に入れており、来季以降の新入社員教育カリキュラムにドローン操縦体験や、取得したデータから3次元モデルを生成する「点群データ処理」の導入を検討しております。これにより、次世代を担う技術者の育成と、建設DXのさらなる推進を目指します。
三建設備工業はこれからも、先進技術の導入と人材育成に積極的に投資し、建設業界の未来に貢献してまいります。